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僕と京都

雑記

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お題「好きな街」

京都が好きだ。たまらなく好きだ。嵐山の美しい自然、若者達の遊び場である河原町、学問をするには持って来いの京都大学同志社大学を始めとする学び舎の数々、歴史ある神社仏閣。都会すぎず、田舎すぎず、時間の流れもゆっくりで、全てが丁度良いバランスで保たれていた。

 

僕が京都と初めて出会ったのは中学生の頃。

修学旅行の行き先が京都に決まり、寺や神社なんてつまんねーよ、と内心ガッカリしていた。しかし、そんな落胆はすぐに吹き飛ぶことになる。古びた街並みにごった返す洋服を着た人々、ビルなどの現代建築物に並び立つ歴史的建造物の数々。そのアンビバレンスな風景が生まれてこの方地元である関西の片田舎からほとんど出たことがない少年の心を鷲掴みにするのは容易だった。

それから僕はすっかり京都という街の虜になってしまい、森見登美彦の小説や万城目学鴨川ホルモー川端康成の古都など京都に関連する作品を読み漁り、京都への想いを馳せながらいつか自分もあの街に住むのだと決意した。

古都 (新潮文庫)

古都 (新潮文庫)

 

それからしばらくして、僕は浪人生として京都で一人暮らしを始めた。憧れの街、憧れの一人暮らし。何もかもが初めてで、浮かれ立っていた。

観光地に埋もれ煤ぼけた有料自習室に足繁く通った。勉強に行き詰まった時はJUDY AND MARYのKYOTOを聴きながら鴨川沿いを歩き、何やってんだろうなー俺・・・と物思いに耽ったりした。北野天満宮にお参りし、勉強をサボッてマンガミュージアムで漫画を読み、出町柳商店街でお好み焼きを買い食いし、京都芸術センターで文化に触れ、清水寺で胎内巡りをやり、二条城で桜を見、銀閣寺で侘び寂びを感じた。外国人の方に英語で話しかけられ、何言ってるのか聞き取れず、逃げた事もあった。時には観光客でぎゅうぎゅう詰めの市バスに揺られたりした。自転車に乗って京都の街を探検した。受験勉強は辛かったけど、京都での生活はそれなりに充実していたと思う。

KYOTO

KYOTO

 

 このまま京都の大学に進学し、京都で就職し、京都に骨を埋めるつもりだった。しかし、色々あって*1都落ちし、たった数ヶ月で京都での生活は幕を閉じてしまった。京都の大学に進学するという夢も叶わなかった。

 そこに行けば、ダメな自分も変われると思った。勝手に変わると思いこんでいた。しかし、住む場所が変わったところで、自分から変わろうとしない限り、人間は変われない。もちろん僕は自ら変わろうとはしなかった。自堕落な僕がストイックでやる気に満ち溢れた人間に生まれ変わる事は無かった。(堕落にまみれた僕の大学受験 後編 

http://lihin.hatenablog.com/entry/2017/02/24/204947

憧れの地京都での初めての生活がこんな形で終わってしまったのが悔しくてたまらなかった。もっと色々な所に行ってみたかったし、京都で大学生としての生活を送ってみたかった。未練だらけだ。

 

僕は今年の春から東京の大学に進学することになっている。受験の際1度だけ東京に行ったけれど、やっぱり僕にはどうも合わない。人が多すぎるし、なんだかゴチャゴチャしていて落ち着かない。何でも揃ってるし、若者達の憧れの街というのは十分に理解できるのだけど・・・。京都の何もかもが僕に適合しすぎていたんだと思う。

できることならもう一度、京都で一人暮らしをやっていた頃に戻りたい。全てが輝いて見えた。夢があった。希望があった。自分の未来を希っていた。あの頃の僕の心はとてもとても純粋でキラキラとしていた。でも、人生に躓き、現実という壁にぶち当たり、東京の空気のように煤け、汚れてしまった。

僕は、叶わないとわかっていても、京都への憧憬を捨てきれずにいる。たぶんこれからもずっとそれを抱きながら、生きていくのだと思う。

 

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